2.【年齢別】保育園に行きたがらない原因と対処法
(1)保育園に行きたがらない理由~2歳児より下の場合~
①親と離れるのが寂しい
2歳児より下の子供の登園拒否の理由は、単純にママやパパと離れることに「寂しさ」や「不安」を抱いていることが多いです。まだ上手に喋れず意思疎通がままならない状態で保育園に預けられるのですから、子供は不安になって当然。ママやパパと離れることに恐怖を感じるのが普通です。
- これが正解の対処法!
- 赤ちゃんがママと離れ難くて泣くのは、ある程度仕方がないこと。「親は必ず保育園に迎えに来る」ということが分かれば、離れる時の大号泣もおさまることが多いです。先生の「お母さん大丈夫です!行ってらっしゃい!」の言葉を信じましょう!また手にお守りを描いてあげたり、応援としてシールを貼ってあげることも効果的です。
②体調不良
いつも泣かない子がグズグズする場合、体調不良の可能性があります。熱がなくても、嘔吐や下痢など風邪の前触れのケースもあるため、その日の登園はよく検討したうえで決めましょう。
- これが正解の対処法!
- 珍しくグズグズな朝は、熱がなくても数時間後に呼び出しの電話が鳴るパターンが多いです!会社を休めるなら休む、休めない場合は「保育園からの呼び出し」を想定し、1日のプランを練り直しましょう。
③イヤイヤ期の可能性
1歳半~2歳児を目安に始まると言われるイヤイヤ期は、「第一次反抗期」のことを指します。何でも「イヤイヤ!」と言う子が多く、親がまいってしまうほど深刻なケースも多々見受けられます。
そんなイヤイヤ期は、残念ですが登園時も例外ではありません…。
朝「保育園に行きたくない!」と泣きわめく、癇癪を起して暴れる、意地でも玄関から出ないなど、忙しいワーママにとっては頭が痛い状況が続きますが、イヤイヤ期は【自尊心や自我が芽生えたこと】が原因で、順調に発達している証拠です!
「自分はこうしたい!」という気持ちが芽生えていても、まだ行動をコントロールする前頭葉が未発達なために、泣く・叫ぶ・暴れるという行動で欲求を示しているのです。
- これが正解の対処法!
- イヤイヤ期の子供は、前頭葉がパニック状態。それを落ち着かせるためにも、ゆっくり話しを聞いたり気分をそらすことで対処していきましょう。強く叱ったり、怒鳴ったりするのはNGです!とは言え、そう簡単にはいかないのがイヤイヤ期…。この時期は朝少し早起きするなど、【焦らずに済む工夫】を行いましょう。
(2)保育園に行きたがらない理由~3歳~
①「苦手」が保育園にある
言葉がある程度発達し、感受性もどんどん豊かになる3歳児。この時期になると、自分の「苦手」や「好き」が分かるようになってきます。
- 保育園の給食が嫌…。
- お昼寝をしたくない!
- 歌を歌いたくない!
など、自分の「苦手」が保育園にあると、行きたがらない場合があるようです。
- これが正解の対処法!
- 運動会やお遊戯会などの「行事前」は要注意。突然「保育園イヤイヤ!」が始まることがあります。子供の様子や話をよく聞き、まずは子供の「苦手の原因」を探りましょう。苦手の原因が判明したら、担任の先生にまず相談。園では苦手を我慢して頑張っているようなら、登園拒否は「反動」でママに甘えている可能性が高いです。「ちゃんとしなさい!」と叱るのではなく、「〇〇が嫌でも頑張ってるんだね。」、「えらいね!」と子供の気持ちを受け止めてあげましょう。
②友達とうまく関われない
2歳頃までの子供は「一人遊び」が中心で、友達と積極的に関わるシーンはあまり見られません。ところが、3歳頃になると徐々に友達の輪が広がり、一緒に遊ぶシーンが増えていきます。
そうなると問題になるのが【子供同士の喧嘩】です。おもちゃの貸し借りや遊具の譲り合いが上手にできる子もいますが、そうでない子も少なくないのが3歳児。いつもおもちゃを取られる側になった場合、友達に何と言えばいいか分からず、上手く解決できない子もいるのです。
また、控え目な性格を持っている子は、保育園でお友達の輪に入れない子も。まだ幼い年齢なので、スムーズに保育園でお友達の輪に入れるように担任や、保育士のサポートをお願いすると安心です。
- これが正解の対処法!
- 友達との関わり方を学ぶのが保育園ですが、最初から上手くいく子ばかりではありません。子供の話に耳を傾けるのはもちろん、先生とも連携を取りながら、友達との関わり方を上手にサポートしてあげることが大切です。おすすめは、休日に公園などで遊ばせて同年代の子との関り方を観察してみることです!「かして!と、うまく言えない」、「おもちゃを取られても黙っている」など、友達との関りがうまくいかない理由を探りましょう。
③休み明けで気持ちが下がる
休み明けに気分が下がるのは、大人も子供も同じです。休日にママやパパと楽しく過ごした次の日は、そのギャップで保育園に行きたくなくなりますよね。長期休暇明けは、身構えていた方が無難です…。
- これが正解の対処法!
- 休み明けの保育園が楽しく思えるような工夫をしましょう!どんぐりを見つけながら登園する。気分を変えてパパと登園する。保育園から帰宅した後に「お楽しみ」(家族でゲーム、好きなおやつなど)を提案するなど、ほんの少しのことで子供は前向きな気分になれます。
④下の子の誕生で赤ちゃん返り
子供が3歳頃になると、下の子が誕生するファミリーも多いでしょう。
この場合、【赤ちゃん返り】という理由で保育園に行きたがらない子供もいます。このパターンは細心の注意が必要です。「僕が保育園にいる間、赤ちゃんだけずーっとママと一緒でズルイ!」そんな気持ちから、登園を断固拒否する子も多いのです。
下の子を見た途端に赤ちゃん返りをする子もいれば、誕生から1~2か月経過して急に赤ちゃん返りが始まる子もいます。時間が経ってから赤ちゃん返りが始まった場合、我慢していたものが噴き出すかのように酷くなることもあるので注意しましょう。
- これが正解の対処法!
- 良く言われることですが、しばらくは【赤ちゃんよりも上の子優先】が鉄則です。しかし、無意味に甘やかすと返って逆効果になることも…。時にはお休みも必要ですが「上の子の要望だから…。」と保育園を無理に休ませる必要はありません。家にいる間は上の子の話をじっくり聞き、「甘えたい」という気持ちをしっかり受け止めて上げましょう。上の子がワガママを言ったら叱るのではなく、「そっかそっか、そうだよね。」と一度意見を受け止め、その後優しく諭すようにしましょう。
(3)保育園に行きたがらない理由~4歳~
①友達関係にトラブル
4歳頃になると「仲間外れ」や「無視」、先生の目を盗んでの「イタズラ」などがチラホラみられるようになります。
3歳で起こるおもちゃを取った、取られたのトラブルは「いじめ」ではありませんが、仲間外れ・無視・イタズラはいじめの「芽」に繋がります。友達からいじめられて保育園を嫌がっている場合には、必ず先生に間に入ってもらい解決しましょう。
- これが正解の対処法!
- 子供が友達関係のトラブルを抱えている場合には、担任の先生に相談するのがおすすめです。その際、「あの子にいじめられている!どうにかして!」とクレームを入れるような雰囲気はNG。先生だって人間です。文句を言われるのは嫌ですよね。先生に良き理解者でいてもらうためにも、相談する際は言葉尻に注意して下さいね。
②保育園が合わない
意志がハッキリしてくる4歳頃になると、【園の環境が合わない子】も出てきます。
親は誰しも「うちの子にはこの園が合うはず。」、「この園の教育方針に共感する。」という気持ちを持って入園させますが、必ずしもそれが子供に合うとは限らないのです。
英語系のプリスクールや勉強に力を入れる知育系の保育園、自由な環境を重んじるのびのび系の保育園など、各保育園の教育方針は多岐に及びます。子供がどうしても園の活動を嫌がる場合は、子供の立場になって今一度考えてみることも大切でしょう。
- これが正解の対処法!
- 子供が保育園の活動を嫌がる時には、まずは先生に相談しましょう。園と家庭で連携し、改善する余地がないか検討することが大切です。それでも「やっぱりうちの子には合わない。」と感じた際には、転園を検討するのも悪いことではありません。
③何らかのトラウマ
何らかの【トラウマ】が原因で、保育園に行きたがらなくなる子もいます。
例えば、仕事の都合で初めて急な延長保育をし、迎えが最後になってしまった。その翌日から、突然「保育園行きたくない!」と言い出すようになった。実は…これは私の体験です!【ママが急に迎えにこれなくなった。もうずっと迎えにこないかも。】という【恐怖感=トラウマ】を子供に植え付けてしまったのです。
子供が急に保育園に行きたがらなくなった時には、怖い思いをしていないか思い返したり、先生に尋ねたりしてみましょう。
- これが正解の対処法!
- 親にとっては何てことないことでも、子供にとっては「不安」や「恐怖」を感じることも少なくありません。保育園のプールで鼻に水が入りそれが原因で登園拒否になるなど、子供の心は些細なことに影響されるのです。子供がトラウマを抱えている場合は、安心させる言葉を言う。同じトラウマが二度と起きないよう対策する。など、子供が安心することを第一に考えましょう。
(4)保育園に行きたがらない理由~5歳~
①女子特有の友人関係
年長にもなると、友達関係はより複雑化してきます。特に女の子は要注意。女子特有の「仲間意識」が芽生え、仲間外れなどが始まることもあるようです。見ているテレビ番組や持っているおもちゃで「マウント」を取られる…。なんてことも実際に耳にします。
普段から子供の話に耳を傾け、嫌な思いをしていないか注意深く見守りましょう。
- これが正解の対処法!
- 子供がいじめられていると感じた場合には、園に申し出る前に子供の話をよく聞くことが大切です。未就学児の言うことは分かりにくいですが、ゆっくりと話を聞けばいじめの内容が徐々に分かってきます。いじめの内容を時系列で整理し、夫婦でそれを共有したうえで園に相談してみましょう。また、年長頃は嘘をつくこともあるため、自分にも非があることを隠している場合もあります。先生の主張に頭から反論するのは控え、落ち着いて考えることも大切です。そのうえで「やはり納得できない!」と感じるなら、再度園に相談してみましょう。
②不規則な生活
5歳頃は生活リズムの乱れが出始める時期です。
- テレビゲームのし過ぎで夜更かしになる
- その結果、朝起きられず遅刻寸前!
- 眠いので「行きたくない!」とダダをこねる
こんな悪循環を防ぐためににも、早寝早起きを心掛けましょう!
- これが正解の対処法!
- 早寝早起きは生活の基本。ここが乱れると、生活の全てが狂い始めます。寝坊して朝食を食べないまま保育園へ行くと、元気が出ず頭も働きません。イライラして友達とトラブルを起こせば、益々園生活も面白くなくなってしまいます。これから始まる小学校生活を見据え、今一度お子様の生活リズムを見直してみましょう。
③先生との相性
担任が変わるタイミングで、登園拒否が始まることもよくあります。
- 前の先生の方が優しい!
- 今の先生は、自分ばかり怒る!
- 〇〇先生嫌い!
子供の口からこのようなワードが出た場合は、先生との相性が良くない可能性も視野に入れましょう。先生だって人間。相性がいい子もいれば、悪い子もいるでしょう。しかし、だからと言って「えこひいき」や「差別」はあってはならないことです。
もしそのような雰囲気を察知した場合は、まずは担任に直接相談し、改善しない場合は園長先生など管理者に相談することをおすすめします。
- これが正解の対処法!
- 担任と子供の相性が悪いと感じた場合、その先生に直接申し出るのは気が引けますよね。その気持ちは分かりますが、いきなり園長先生に相談するのはおすすめできません。保護者と担任の信頼関係を維持するためにも、まずは担任に相談するのが良いでしょう。「うちの子、迷惑かけていませんか?」など、ソフトな言い回しで「気にしています!」とアピールするのがおすすめです。何度か相談しても改善しない場合には、園長先生へ相談することも検討しましょう。
子供が保育園に行きたがらないことは多いですが、原因とその対処法が分かれば解決できることも多いです。「つべこべ言わず行きなさい!」と、頭ごなしに叱るのではなく、子供の様子をみてしかるべき対処を行いましょう。