しかし、実際に他人の相方を奪うというのは、かなり難易度の高いチャレンジになる。というのも、売れない若手芸人はみんながライバルで蹴落とし合っているというイメージを持つ人はたくさんいるかもしれないが、実はそうではない。芸人同士のチームプレーが大事になってくるのだ。

 蹴落とすよりお互いを知って関係性を作り、そこで笑いを生み出せるような空気感を作っていった方がよっぽど得策だ。自分の特性だって、人と繋がることで見えてくることがある。このドラマの山ちゃんのように、他人の足を引っ張り自分だけのことばかりを考えていると(実際はそういった面ばかりでないと重々承知)、結果的に損することになるのだ。

 南海キャンディーズが面白かったからいいものの、すぐに結果を出せたからいいものの(結成年にM-1準決勝、翌年に決勝進出)、少しでもつまづいていたら周りからは白い目で見られることになっただろう。

 ドラマ上の見え方としては、気持ちの強さで山里がサクセスストーリーの一歩目を歩き出してる形だったが、実際はかなりリスキーな賭けだったはずだ。もちろんこんな賭けに出られてしまうところが、山ちゃんのすごさだったりするわけだが。