フジテレビは絶好調、日テレは大不振の明暗

 今期はフジテレビのドラマに勢いがある。視聴率では『教場0』が『ラストマン』に次いで今期2位となり、全話平均で2ケタを維持しているほか、カンテレ制作枠である天海祐希×松下洸平の月10ドラマ『合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~』もトップ5入り。そしてTVerお気に入り登録者数で見ると、前述のように『あなたがしてくれなくても』と『教場0』で1位と2位を制しているほか、波瑠×高杉真宙の水10ドラマ『わたしのお嫁くん』が4位に位置する。

 『合理的にあり得ない』のお気に入り登録者数はやや低い水準(8位)にあるが、多くのドラマがTVer以外は自局の配信プラットフォームだけに見逃し配信を提供しているのに対し、カンテレは戦略的に配信先を多く展開しており、結果的にTVerでの勢いがやや鈍い傾向にある。『合理的にあり得ない』も無料見逃しではないがNetflixやU-NEXTでも配信されている(※TELASAでも見放題ではなくレンタルではあるが配信中)。カンテレ制作では、深夜の新設枠「火ドラ☆イレブン」の第一弾『ホスト相続しちゃいました』も健闘している。

 TBSは『ラストマン』が視聴率1位、TVerお気に入り登録者数では『王様に捧ぐ薬指』が3位で『ラストマン』が5位とまずまず好調だが、山田裕貴×赤楚衛二×上白石萌歌の金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』が勢いに欠けている印象だ。

 テレビ朝日のドラマは「世帯視聴率は強いが配信で弱い」傾向がもともと強く、今期も『特捜9 season 6』と『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』が視聴率で3位・4位(TVerお気に入り登録者数は22位・19位)となるなか、TVerお気に入り登録者数で唯一健闘しているのは高畑充希×田中圭の火曜ドラマ『unknown』と、深夜のオシドラサタデー『帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし』のみ。昨年10月から新設(木曜20時枠からの移動)された火曜21時枠は、前期の『星降る夜に』が同クールのお気に入り登録者数3位、第6話までで見逃し配信再生数が累計1500万回を突破するなど配信で強く支持されたが、今期の『unknown』は『星降る夜に』と比べると勢いがない。