20年以上の時をかけ、『モータルコンバット』は「ゲームと変わらぬ映画」に達した。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』も30年前の失敗を取り戻す大成功を収めた。

 失敗したゲームの映画の多くは、クリアできずに途中で投げ出してしまった子供が「こんなクソゲー、二度と遊ばねーよ」とぼやくようなものだ。どんなゲームもクリアするまで遊ばなければ魅力はわからない。

 ゲーマーたちはファミコンすら触ったことがなさそうなスタッフによる底の浅い、「クリアしていない」ゲーム映画を観ながら、

「俺なら、もっとうまくやれる」「この映画にコントローラーがあったら、最後までクリアしてやるぜ」

と映画館で空想のコントローラーを手にしていることに製作者たちは気づいているだろうか。

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は見事に最終エリアまでクリアしてくれた映画だから、ヒットしたのだ。

 フジテレビONEの人気番組、『ゲームセンターCX』はよゐこの有野晋哉が数々の激ムズゲームにチャレンジする。『プリンス・オブ・ペルシャ』に挑戦した回は番組中屈指の名作回で、三日間計23時間という苦闘の果てについにクリアするのだが、「疲れたけど・・・このゲーム面白かったわー!」と言わんばかりの表情を見て欲しい。ゲームの魅力はクリアするまでわからない。映画もきちんとクリアしてくれないとさあ!

 ちなみにこのゲームにも『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』(2010)という実写映画があるんだけど……「ゲームと映画は違う」って思ったね!