シリーズを重ねるとともに拡大する一方のスケールに対し、魅力的なキャラクターも次々登場。主要登場人物は58人に上り、かつて敵として登場した人間も戦いを経て仲間、‟ファミリー”になっていく、というのがこのシリーズの特徴で、「タイマン張ったやつはマブダチ」という男気展開は、日本のヤンキーマンガに相通じるものがある。

 前作までのキャラや、死んだと思っていたキャラが強引な理由で復活、再登場を果たすのもこのシリーズのお約束で、シリーズ9作目の『ジェット・ブレイク』には『TOKYO DRIFT』で死亡したとされていたハン(サン・カン)の復活は、ファンからの歓喜の声で迎えられた。

 サン・カンはジャスティン・リン監督のインディーズ映画『Better Luck Tomorrow』(日本未公開)に出演した縁が出来、『TOKYO DRIFT』に出演、主人公ショーンの良き兄貴分として存在したが、ラストでデッカード(ジェイソン・ステイサム)に殺害される。

 リン監督はこの一本でシリーズから離れるつもりだったが、二人がレストランで食事をしていると子供たちがサン・カンを見て「ハンだ!」と近寄ってきたのを見て強い影響を感じ、二人でハンを復活させようと思い立ち、続編の監督を再び手掛けることを決めた。