数々のトンデモ描写、そして主演コンビが登場しない番外編という扱いが災いしたか、『TOKYO DRIFT』はシリーズ中最低の興行になってしまった。しかし車のチューニングやドリフトテクニック、ストリート・レースのシーンが最も激アツな映画。忘れがたい快作として記憶に残っている。

 アジア系アメリカ人の監督として一定の成功を収めたジャスティン・リン監督は、このシリーズを手放したくないユニバーサル映画によってシリーズ4作目『ワイルド・スピード MAX』の監督に続けて起用。

 主演コンビのディーゼルとウォーカーも復帰した4作目はそれまでのストリート・レース映画の設定を一新。主演コンビと彼らの‟ファミリー”が改造車をぶっ飛ばして激しいカーチェイスを繰り広げ、テロリストをぶちのめすという痛快カーアクション映画に路線変更し、これがバカ受け! 以後は世界中のありとあらゆる場所で車が、現実的にはありえないスーパー・アクションを展開するようになる。

 車が走るのはもはや道路に留まらず、山、海、空を縦横無尽に駆け抜けた。ついに『ジェットブレイク』ではジェットエンジンを括り付けたポンティアックが宇宙空間にまで飛び出す! ハッタリもここまでくれば大したもんだ!