米国で最も売れているビール「バドライト」の売り上げが急落している。トランスジェンダー(出生時の性と自認する性が一致しない人)のインフルエンサーと提携して宣伝したところ、保守派の猛反発を招き全米規模での不買運動に発展したからだ。問題が発覚して1カ月以上たっても事態は収束せず、このままではナンバーワンブランドの座を失いかねない、との声も聞かれるようになった。

 日本の国会では性的少数者(LGBTQ)らへの理解増進法案をめぐり自民党内の調整が難航し、日本の対応の遅れが浮き彫りになっているが、日本人が「性的多様性の先進国」だと思い込んでいる米国社会は、過激な意見対立に悩まされている。

「バドライト」は「バドワイザー」を製造するアンハイザー・ブッシュのビール。1982年に「バドワイザー・ライト」の名前で販売が開始され、2年後に今の「バドライト」に名称が変更された。