この記事で、米国では債務上限の変更は毎年のように行われているため、人々の関心は低いが、今回の危機は22年11月の中間選挙の結果、米国議会の上下院で“ねじれ議会”となっており、米国債がデフォルトする可能性は高いと指摘した。

「債務上限」は米連邦政府が借金できる上限額を指す。米国では議会が政府の借入額を決定する権限を持っており、議会が債務上限額の範囲内で財務省が国債などを発行して、資金調達を行う。

 債務上限に達すると原則として新規の国債発行が禁止される。そこで、米財務省は公務員退職・障害基金の国債購入停止や為替安定化基金への投資停止などの特別措置を発動し、緊急避難的に米国債のデフォルトを回避する。

 イエレン米財務省長官は1月19日、21年末に設定された政府の債務上限額約31兆4000億ドル(約4100兆円)の上限に達したことを公表し、すでに特別措置を発動し、緊急避難的に米国債のデフォルトの回避を続けている。