◆ホットな音色で駆け抜けるワールドツアー

ワールドツアー『TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR <ACT : SWEET MIRAGE> IN JAPAN』(HYBE JAPANのリリースより)
ワールドツアー『TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR <ACT : SWEET MIRAGE> IN JAPAN』(HYBE JAPANのリリースより)
「BTS」の「Telepathy」(2020年リリース)を聴いていると、世界の音楽シーンにコミットしながら設計される普遍的な音色を体感できる。そのあたりのトレンド感も「TXT」にしっかりと受け継がれている。

「TXT」の全米アルバムチャート1位獲得が何よりすごかったのは、初登場後7週連続で首位をキープしていたSZAの2ndアルバム『SOS』(2022年リリース)の大記録をいったん打ち止めにさせたことだった。同アルバム収録のメイントラック「Kill Bill」は、全米シングルチャートでも好評で、今世界で一番ホットなナンバー。そこへダークホースのごとく颯爽と首位に躍り出たのが、「TXT」の『TEMPTATION』だった。

『TEMPTATION』収録の「Sugar Rush Ride」を聴くと、爽やかソーダ系ペパーミントブルーな音色がぱっと口の中で広がる。K-POPアーティストが本気でアメリカンポップスをやるとこうなるんだなと感じた。

 2023年3月25日のソウル公演を皮切りに全13都市を周るワールドツアー『TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR 』が開催されている。日本では4月14日から4月30日まで、全8公演が開催された。また日本でのファイナル公演では、追加公演として京セラドーム大阪公演を7月1、2日に行うことが発表された。

『TEMPTATION』を引っ提げてのライブパフォーマンスは、大きく足踏み、ホットな音色を鳴らしながら、遊び心のあるポップなナンバーで駆け抜ける。世界の音楽地図がまたも塗り替えられそうだ。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】

音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu