◆部屋の「狭さ」にこだわり追求したリアリティ

 登場人物もそうだが、吉野夫妻が暮らす家の空間もリアルさをとても感じる。よくあるドラマに登場する部屋はどうしても当人の収入にマッチしておらず、「家広すぎだろ!」とツッコみたくなるケースも。

第5話より
 しかし、吉野家は夫婦2人が住むのに丁度良い広さ。「そこも監督がこだわっていて、『ドキュメンタリーみたいに撮りたいよね』と。家が狭いことで嫌でも顔を合わせてしまうことって、夫婦あるあるだと思うんですよね。そこってすごく大事で、奈緒ちゃんも『この距離感だからこそリアルさを感じてもらえる』と言っていました」と細部までリアリティへのこだわりを追及しているようだ。

 また「撮影の時に私が立っている場所が役者さんの導線で、ぶつかりそうになったりすることが多々あります(笑)」とリアルさを追求する現場の裏話も語った。

『あなたがしてくれなくても』
第4話より
 一方、新名家は広々とした室内だったが、「結婚して7年目を迎えて、その年月とともに心の距離が開き、すれ違っている雰囲気が室内から伝わればと思っています。また、誠(岩田剛典)が広い部屋に一人でいることで、よりその寂しさを感じ取ってもらえると嬉しいです」と説明した。