おすぎとピーコは双子のゲイである。ともに78歳。ピーコはファッション評論家で、おすぎは映画評論家で、だいぶ前にはテレビの人気者だった。
だが、最近聞こえてくるのは、認知症、施設で暮らしているという話ばかり。本当のところはどうなのか、新潮が取材に動いた。
おすぎが知人らしき家族と暮らしていたマンションに、ピーコが越してきたのは2020年の春ごろだっというた。
「それからしばらくピーコさんはそこで一人暮らしをしていました。そして21年の秋頃、おすぎさんが当時暮らしていた福岡の博多からそのマンションに引っ越してきたのです。認知症が進んでいた様子だったので、ピーコさんが心配してそうしたのだと思います」「(ピーコとおすぎの共通の知人)
だが2人の同居はうまくいかなかったようだ。
「買い物に行こうとする時の出がけに部屋やマンションの前で“早くしなさい”とか“何してるの!”“さっさと歩きなさい”“ちゃんと靴履きなさい”と、ピーコさんがおすぎさんを怒っているのがよく聞こえてきました。おすぎさんの認知症が思いのほか進んでいて、ピーコさんとしてもうまくいかずにイライラしていたのだと思います」(マンションの近隣住民)
結局「老々介護」は半年ももたず、2022年2月ごろ、おすぎはマンションを出て高齢者施設に入ったという。
だが、ピーコにも認知症の症状が出始めたようだ。「22年の夏ごろ、ピーコさんがおすぎが死んだと言い出しまして」(同)
そして悲劇が起こったという。神奈川県警戸部署の副署長がこう話す。
「今年3月25日午後3時に杉浦克昭(ピーコ)さんが窃盗の容疑で逮捕されたのは事実です」
近所の店で弁当やサンドイッチなどを万引きしていたというのだ。本人にその自覚はないようだが、かつての事務所の人間も手を差し伸べようとはしないという。
「今回の事件にはもうビックリしました。本当に逮捕されたの? けれど切ないわね。マネージャーとか誰かケアしてくれる人がいなかったのかなって思ったの。ケアする人がいればまた違ったんでしょうね」
そう憤慨するのは歌手の美川憲一(76)である。
「年齢を重ねてくると本当に他人事ではないですよね。物忘れも多くなるし、足腰も弱るし。その中でもし一人で生きていかなきゃならないってことになったら本当に大変よね。自分がいつそうなっちゃうかなんて誰も分からないんですから」
どうせボケるのなら、楽しいボケ方というのはないものか。