ついにジャニー喜多川の少年たちに対する性的虐待問題を、ジャニーズ事務所が無視できずに動き出したというのだ。

 4月21日、東京・日比谷の日生劇場にいた藤島ジュリー社長を文春が直撃した。目をそらし席へ戻ったジュリー。

 だが、その4時間後、朝日新聞デジタルが、「ジャニーズ事務所が性被害疑惑調査 所属タレントの聞き取り」と報じたのである。

「ジャニー喜多川氏(二〇十九年に死去)から所属していたタレントが性被害を受けた疑いが浮上している問題で、事務所が、社員や所属タレントを対象に聞き取り調査を行ったことを、文書で取引先企業に報告した」

 一部の取引先企業には藤島ジュリー社長が、「本件につき、問題はなかったなどと考えているわけではございません」という文章をつけているというのである。 
 これまで文春にジャニー喜多川からの性被害を告白したのは10人になるという。

 1990年代後半、ジャニーズJr.に在籍した30代後半のFは、ジャニー喜多川の行為をどう思っているのか?

「トラウマになっています。自尊心を破壊されたというのか、あの時抵抗できなかったから、何をやってもダメなんだと。そういう行為を受け入れてしまった自分も嫌になりますし、性行為をしないとのし上がっていけない、そういう世界に身を置いたのも嫌になった」

 そうした思いを胸に秘めて生きていくのは、大変なことなのだ。

 今回事務所側が聞き取り調査を行うといったことは少し前進したのかもしれないが、内情を知るレコード会社社員はこう明かす。

「十二日にカウアン氏が会見した翌週のことです。ジャニーズ事務所内で、タレントに向けて内々にアナウンスがありました。彼らを相談窓口にするので、所属タレントの皆さんは、彼らに相談してくださいというものです」

 だが、この彼らとは、事務所の社員でもなければ、第三者機関でもない。元V6の井ノ原快彦、TOKIOの国分太一と松岡昌宏、関ジャニ∞の村上慎五など、つまり現役のタレントたち6人だったのだ。

 しかも、6人とも現体制と近いタレントばかりが選ばれた形なのである。