社会的マイノリティーとされる存在に長年スポットを当ててきたフィリベール監督は、内田からドキュメンタリー制作の醍醐味について尋ねられると、次のように語っていた。
「僕にとってドキュメンタリーを撮ることは、他者や世界に出会い学ぶことであり、自分について学ぶことでもあります。フランスではドキュメンタリーというジャンルは少し過小評価されていて、本当の意味での映画ではなく、報道的な意味合いの作品とされる。もちろん、そういう作品もあるんですが、僕自身はドキュメンタリーも本当に映画そのものだと思っているし、ドキュメンタリーに対する皆さんの考え方が少しずつ変わっていけばいいなと思っています」
精神疾患のある人々を無料で迎え入れ、さまざまな創造的な活動を通じて社会と再びつながりを持てるようサポートするアダマン号が舞台となった本作だが、内田さんは「おとぎ話のような本当の話」と評する場面もあった。
【こちらの記事も読まれています】