直政の人物像に関しては、「徳川家臣団のメンバーはほとんどが三河出身ですが、直政は井伊谷出身で、しかも途中から加わっている。だからこそ、家康やほかの家臣に対しても、言いたいことを言える部分はあるのかなと思います。言動だけ見ると一見生意気だと思われるかもしれませんが、その裏には、由緒ある井伊家を背負っているプライドや、自分の家を立て直したいという強い使命感があるのだと解釈しています」と語り、「今後、徳川に仕えていくことになりますが、なんとしても殿を天下人にさせたい、自分も出世したいという強い思いがあるからこそのアプローチだと思うので、その心(しん)の強さは軸として持ち続けていきたいです。そして、井伊直政は“赤鬼”とも呼ばれる人物ですが、血気盛んなところだけではない、冷静な面や頭の回転の速さ、先を見る力だったり…彼が家康を支えてきた理由をひもときながら、自分なりに個性をもって演じていけたらいいなと思っています」と意欲を見せた。
続けて、「演じていく上では、時に迷うこともありますが、迷ったら脚本に立ち戻ります。古沢さんの脚本を読んでいると、とても安心できるというか…一人一人のキャラクターや物語をぶれずに作り上げてくださるので、最後は絶対に脚本の中でつながっていく感覚がありますし、見えてくるものがあるんです。心から信頼しつつ、あとは、現場での家臣団の皆さんがつくる空気感にも助けていただいています」と、古沢氏が描く脚本や共演者に助けられながら撮影に臨んでいることを伝えた。