大河ドラマへの出演は2021年の「青天を衝け」以来。「時代も違いますが、前作との一番大きな差は、何より死を常に意識するという部分ですよね。『青天を衝け』で演じた徳川昭武は、パリにも行き、国をよくするために役立てることを見て学び…というシーンも印象に残っていますが、今回は国をよくするということに加えて、何より死と隣合わせ。常に走り続けている感覚で、緊張感が違います。いつ何がどう転ぶか分からないし、誰が襲ってくるかも分からない中、24時間過ごしているので。そうなると、おのずと所作も変わりますし、その差は演じていて面白いなと思います」と語る。

 役づくりについては、「時代劇は物語のベースに史実があります。さらに、大河ドラマは過去に同じ役を演じた先輩方もいらっしゃいます。『青天を衝け』の徳川昭武は、ほぼ初めてフォーカスされるような人物だったので役をつくりやすい面もありましたが、今作の井伊直政は、例えば『おんな城主 直虎』で菅田将暉さんが演じられていたのを僕も拝見していましたし、視聴者の皆さんの中にも思い描く作品があったり、特定の役者さんの印象が強いという方もいらっしゃると思います。そうした中で、史実というベースは持ちながらも、自分なりに、『どうする家康』という世界に生きる井伊直政をつくり上げていくのはプレッシャーでもあり、特殊な環境ですよね。でも、過去作はあまり意識せず、『どうする家康』の井伊直政は僕だけが演じられる人物だと信じて演じたいと思っています。物語の中で直政が年を重ねていく中で、自分自身も成長できるよう努めたいです」と、難しい中でもベストを尽くしていくことを誓う。