実写映画化したことの意義
この『東京リベンジャーズ』は「実写映画化」そのものにとても意義がある。それは、生身の人間が、暴力を振るう様を演じてこそ「痛み」がリアルに伝わってくるからだ。前作も今回の『運命』もPG12指定がされており、かなり刺激の強い暴力シーンもあるのだが、それを臆さずに表現したこともとても重要だった。
そして、ファンからの反発が大きくなりがちな漫画の実写映画化において、若手キャストたちが「全員を納得させる」ほどのハマりぶりと、本当に命を削るかのような姿を見せられれば、誰もが実写映画化の「成功」を叩き出したと認めるのではないか。
さらに、後編に当たる『決戦』では、前編の『運命』の時点ではまだ顔見せ程度だった“松野千冬”役の高杉真宙が「過去最高の高杉真宙」とまで思えるほどに魅力的だった。そして、約3カ月かけて入念に作り込まれた、原作を見事に再現した廃車場のロケセットが、文字通りに「戦場」になる。
その廃車場の場面は前後編にわたる映画全体の1/3を占めており、“動き”にキャラクターの感情が乗っかるために吹き替えはほぼなし。 地上から10mはあるという廃車場の山のてっぺんは日が昇ると温度が上昇し、まるでサウナのような状態で、キャストはもちろんスタッフも熱と緊張感でフラフラになりながらのハイカロリーな撮影になっていたそうだ。
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