こんにちは、ライターの渡辺彩季です。 この連載では「多様な女性の働き方」をテーマに私とゲストで対談をさせていただきます。 今回のゲストは、通訳家の李起林(イ・ギリム)さん。生まれ育った韓国を離れて、通訳家として日本で活動されている素敵な女性です!

今回のゲスト♡ 李起林(イ・ギリム)さん

 

李起林(イ・ギリム)
韓国ソウル出身、東京在住の通訳家。
高校時代から日本語を学び、大学での専攻は日本語日本文学。
大学生の頃から通訳と翻訳の仕事に携わり、ビジネス通訳から技術通訳まで幅広く対応。
2020年現在、日本にあるアメリカ企業で日本拠点と韓国拠点間の通訳と翻訳をしている。
韓国のミスコンテスト『MISS KOREA』の2017年日本地域ファイナリスト。ベスト・ドレッサー賞を受賞。
2019年婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン シーズン3』に出演。

インタビューする人♡ 渡辺彩季

 

渡辺彩季(わたなべさき)
京都府出身、東京在住のフリーライター。
女性をターゲットにしたメディアを中心に美容、ファッション、ライフスタイルなどの幅広い記事を執筆中。
美容が大好きで、コスメコンシェルジュ、全米ヨガアライアンス、アロマテラピー検定1級、温泉ソムリエなどの資格を取得。

ウーマンダイアローグ#41 【通訳家/李起林(イ・ギリム)さん】

 

渡辺:本日は、よろしくお願いします。

イ・ギリム:よろしくお願いします!

渡辺:早速ですが、イ・ギリムさんの現在の仕事の内容を教えていただきたいです。

イ・ギリム:私は、現在アメリカの企業の日本の拠点に務めています。主な仕事内容は、日本拠点と韓国拠点の間に入って、通訳と翻訳をすることです。メインは化学やセンサーや半導体などの技術に関する通訳です。

渡辺:技術通訳!? 日常会話の通訳よりも専門用語がたくさん出てくるので、難易度が高そうですね。母国語でも覚えるのが大変そうなイメージです。

イ・ギリム:たしかに普通のビジネス通訳と比較すると、少し特殊ではあります。しかし、専門用語を暗記をしてしまえば楽ですよ。韓国人の私が日本で働くことを考えた時に観光ガイドやホテルなど、いろんな需要がありましたが、高校や大学で日本語を学んできた経験を一番活かせると感じたのが、通訳の仕事でした。通訳の仕事を通して、自分の世界が広がりそうだと確信したんですよ。

京都に惚れ込んで「ここに住みたい!」と決意

 

渡辺:韓国で生まれ育ったとのことですが、なぜ日本に来られたのですか? 数多い“海外”のなかで日本にこだわった理由などがあれば、ぜひ聞かせていただきたいです。

イ・ギリム:高校時代から日本のアーティストが大好きだったんです! それがきっかけで日本に興味を持つようになって、大学では日本語と日本文学を学んでいました。そして、海外旅行を計画した時に「せっかくだから日本に行ってみよう!」と初めて日本を訪れたのです。その時に京都に惚れ込んで「絶対にここに住みたい!」と決めました。

渡辺:京都に来てくださったのですね。私は生まれも育ちも京都で18年間住んでいました。そうおっしゃっていただけて、とても嬉しいです!

イ・ギリム:京都はとても素晴らしい場所ですよね。その後、大学3年生の時に交換留学で京都に住み、私にとって“心の故郷”になりました。すごく優しい人たちに出逢って、楽しい思い出がたくさんできました。それから、将来的に日本で仕事をしたいと考えるようになり、そのまま就職をして現在も日本で働き続けています。

渡辺:現在も日本で働き続けているとのことですが、今後韓国に戻ることも考えていらっしゃいますか?

イ・ギリム:今のところ韓国に戻って仕事をする予定はありませんが、移住に関しては検討しています。将来的には、日本以外の別の国でも働いてみたいと思っています。

渡辺:女性は転勤を躊躇する人が多いイメージでしたが、ギリムさんはとてもアクティブですね! ちなみに日本以外だったら、どこの国で働いてみたいですか?

イ・ギリム:次は中国に拠点を移したいと考えています。中国語も日常会話は既にマスターしていますが、今後は通訳ができるくらいにスキルアップできればと、現在勉強中です!

渡辺:向上心が素晴らしいですね! 外国語をマスターすることは簡単なことではありませんが、ギリムさんならすぐに習得できそうです。

友達と楽しく一緒に学んで、日本語をマスター

 

渡辺:日本語を勉強する時にどのような努力をされてましたか? 交換留学だけならまだしも、通訳の仕事をするなら、正しい知識をしっかり身に付けないといけませんよね。短時間で上達するコツなどがあったら教えていただきたいです。

イ・ギリム:高校時代にペンパルを始めて、日本人の友達も数人できたんです。ほかにも同じ学校に日本語の勉強をしている同級生がいたので、その子たちと一緒に日本語で会話をしたり、流暢に話せるようになる努力をしていました。友達と楽しく一緒に学ぶことができたから、上達するのが早かったのかもしれません。周りにも日本語をマスターするために同じように勉強している人がいたから、自分も頑張ろうと思えたので、いい刺激になりました。

渡辺:今はネット経由で海外で暮らしている人とも簡単にコミュニケーションを取ることができるので便利ですよね。学生同士が出会うツールもたくさんあるから、外国に興味のある人同士で仲良くなるというのもひとつの手ですね! 海外留学はお金がかかるイメージですが、スカイプなどを上手く使えば手軽に会話できますし、双方にとってメリットが大きそう。

イ・ギリム:そうなんですよ。ペンパルをきっかけに友達になった子と毎日1時間以上電話をしていました。お互い語学を学びたい同士なので、日本語を流暢に話す練習も兼ねながら、楽しく会話をしていました。

渡辺:そういえば、最初に日本を訪れた時に関西に行かれたとのことですが、同じ日本語でも関西だと“訛り”があるじゃないですか? 標準語とはイントネーションが異なるので分かりにくい部分もあったと思うのですが「聞き取りづらい」「話しにくい」など、大変だと感じることはありましたか?

イ・ギリム:それが全く無くて! 韓国にいた頃から日本のバラエティー番組をよく見ていたので、関西弁を話す芸人さんのトークに慣れていたんですよ。お笑いだと関西弁がよく出てくるじゃないですか? だから突然関西に行っても“訛り”の壁を感じることは特にありませんでした。お笑いを好きで見ていただけなのですが、結果的にヒアリングの勉強になっていたみたいです。

渡辺:既に関西弁も聞き慣れていらっしゃったのですね! 私は関西弁がデフォルトの状態で上京したので、最初の頃は苦戦しました。もしかしたら、ギリムさんの方が日本人よりも日本語に詳しいかも知れませんね。