シンガーの大ヒット作『X-MEN』シリーズは、人間とは違う能力を持ったミュータントが誕生し、彼らを恐れる人間たちによってミュータントが迫害されるという物語だが、シンガーにとって他人事とは思えなかっただろう。映画では自分の子供がミュータントであることを知った親が「それはやめられないの」と言う描写まである。性的指向は趣味とは違うから、やめたくてやめられるものじゃない。ミュータントをセクシャルマイノリティと同じ視点で捉えたシンガーの慧眼には恐れ入る。
『ボヘミアン・ラプソディ』はゴールデングローブ、アカデミー賞他、英国アカデミー賞などでも受賞の栄冠に輝いたが、その場にシンガーはおらず、出演者、スタッフらもシンガーについては一切触れないという事態に。
これまで『X-MEN』映画シリーズで監督、プロデューサーという位置にいたシンガーだが、現在制作中と噂の新シリーズにはまったく関与していないようで、業界のマイノリティ扱いである。
けれど『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットのおかげで同じような手法の映画『ロケットマン』(エルトン・ジョンの伝記映画、監督は代行のデクスター・フレッチャー)、『エルヴィス』(プレスリーの伝記映画)が次々つくられてヒットしてるんだから、みんな、少しはシンガーに感謝しようぜ!