「こんな長いの、ラジオでかけてもらえない」「ティーンエージャーが車でボリュームを上げて、頭を振れるような曲じゃない」

とレイは全否定。マイヤーズは『ウェインズ・ワールド』で同曲を聞きながらドライブして、「ガリレオ!」と叫びながらヘッドバンキングまでしてたんだけど……。この曲の解釈を巡って激突したメンバーとレイは喧嘩別れ。フレディは知人のラジオDJ、ケニー・エヴェレットの番組に売り込みにいって「ラジオじゃかけてくれないんだ」という前置きで番組に曲を独占放送させた。

「ボヘミアン・ラプソディ」は音楽評論家から轟々の非難を浴びながらも、話題に。イギリスチャートで初の1位、各国で大ヒットを記録。バンドは世界的な成功を収める。しかし、成功とは裏腹にフレディの心は闇に染まっていく。バイセクシュアルという真実の自分と、それを理解してくれない世間との軋轢に苦しんでいく。マネージャー兼恋人というポールの存在は他のメンバーやEMI社員との不仲を招き、どんな時も自分を信じてくれていたメアリーも距離を置くようになり、ほかのレコード会社と高額のソロデビュー契約を相談もせずやったことでついに、バンドは瓦解する。

 ソロアルバムのために集めたサポートメンバーはフレディが望むサウンドを用意できず、仕事がうまくいかないフレディは毎晩開くパーティで酒、ドラッグの乱痴気騒ぎに溺れる。心も体もボロボロになったフレディの元にメアリーが現れ、あなたには帰るための家と仲間が必要と諭す。ポールと決別したフレディはわだかまりの残るメンバーと再会、自身の愚かさを認め和解。チャリティイベント、ライブエイドでクイーンの再開を約束。だがフレディの体はすでに病魔に冒されていた…