地方の大学ライブを連続満員にする彼らだが、フレディはそれだけじゃ満足できない。世界へ飛び出したい。そのためにはアルバムをつくらなきゃ! ボロいワゴンを売った金でスタジオ入りした彼らは、さまざまなアイデアを録音する。その様子を見たレコード会社EMIのジョン・リードはクイーンと契約。メジャー・デビュー、全国ツアー、とんとん拍子でスターダムへ駆けあがる。

 EMIの重役レイ・フォスターはイギリスのチャート2位を記録した「キラー・クイーン」と同じような曲をつくれと指示する。

 レイ役を演じたマイク・マイヤーズはスパイ・コメディ『オースティン・パワーズ』などで知られる役者だが自身が出演、脚本も書いた映画『ウェインズ・ワールド』の冒頭でカーステレオにテープを入れて『ボヘミアン・ラプソディ』を5人で合唱するシーンを入れるほどのクイーン・オタク。本作ではメイクでほぼ、別人になって嫌味な役だけど、一番嬉しそうだ。

 同じことの繰り返しは、僕らが最も嫌うことだ! と、メンバーはレイの指示とは違う、全く斬新な楽曲で構成された「オペラ座の夜」を作ってくる。しかもシングルカットを予定していた「ボヘミアン・ラプソディ」はオペラ調のパートがあって全体で6分もある。