ペルシャ系移民のファルーク・バルサラ(ラミ・マレック)はバンドに傾倒し、妙なファッションを好んだため、厳格なゾロアスター教徒の父親と折り合いが悪かった。父から逃れるように夜のバーで彼が好んだバンド・スマイルのメンバー入りを希望。ギタリストのブライアン・メイ、ドラマーのロジャー・テイラーの前で朗々としたアカペラを披露。「君、ベース出来る?」「できない」新ベーシストのジョン・ディーコンを加え、バルサラをボーカルとした新バンド「クイーン」が誕生する。

 このころ、自分のルーツに疑問を感じていたバルサラは家族や仲間、恋人のメアリーと一緒のバースディパーティで「フレディ・マーキュリー」に改名したと宣言。父親が難しそうな顔をするところが何とも言えない。

 バンドにかぶれた息子が「たかしって呼ぶな! 俺は今日からジョニーだ!」っていうようなもんだよ。

 かつてボクシングもやっていたバルサラ……じゃなかったフレディは拳の代わりに歌声で観客をノックアウトする。