そんなサロールが、アダルトグッズショップでアルバイトをすることになる。足を骨折した同級生から懇願され、断り切れないサロールだった。両親には内緒で働き始めるが、半地下にあるアダルトグッズショップには彼女が初めて目にするものばかり。巨大なバイブレーター、膣トレーニング器、等身大のラブドール、バイアグラ……。お客に説明するために、商品の使用方法も学ばなくてはならない。
1日の売り上げ金は、店のオーナーであるカティア(エンフトール・オィドブジャムツ)に毎晩届けることになっていた。おしゃれな高級フラットでひとり暮らしをしているカティアは、サロールにとってはおばあちゃん世代。モンゴルの社会主義時代に青春を謳歌したカティアは、かなりのぶっ飛びキャラだ。「親の言いなりで大学に通って、自分の考えはないの?」と初対面のサロールに手厳しい。世代も価値観もまったく異なる2人だったが、ぶつかり合いながらもお互いの意外な一面を理解することになる。
最初はうっすらと口髭の生えた、垢抜けない女の子だったサロールが、アダルトグッズショップで働き始めて、どんどん洗練されていく。性格も明るく変わっていく。新人女優バヤルツェツェグ・バヤルジャルガルの変身ぶりを見ているだけでも、充分に楽しめる123分となっている。
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