女性の“強さ”の定義、表現も変化しつつある現代。それに合わせて、男性の意識もアップデートされてきている。今まで、ジェンダー差別の問題を描くときは、男性による表面的なわかりやすい暴力や暴言に焦点を当てていたが、近年はインド男性の根底にあるミソジニー(女性蔑視)を描くようになってきたようにも感じられる。そんな中で、Z世代の女優は今後、どう演じていくのだろうか。
今、インドにおいて人気急上昇中の20代女優といえば、カンナダ、タミル、テルグ、ヒンディーとさまざまな言語の作品にひっぱりだこで「汎インド映画女優」ともいわれている、ラシュミカ・マンダナ(Rashmika Mandanna)が挙げられるだろう。『Goodbye』(22)では、ボリウッドデビュー作でありながら、いきなりレジェンドのアミターブ・バッチャンと共演を果たした。
そして、2018年に54歳という若さで亡くなった大女優シュリデヴィ・カプールの娘であり、『グンジャン・サクセナ -夢にはばたいて-』(20)や『恐怖のアンソロジー』(同)に出演するジャーンヴィ・カプール(Janhvi Kapoor)も注目株の1人だ。
そのほかにも、人気女優プージャ・ベディの娘であり、『Freddy』(22)や『Almost Pyaar with DJ Mohabbat』(23)などの演技が高く評価され、次回作『Bade Miyan Chote Miyan』ではアクションスターの両雄タイガー・シュロフ&アンシャイ・クマールと共演するアラヤ・F(Alaya F)。また、インドのスーパースター、シャー・ルク・カーンの娘として知られ、モデルとして活躍するスハナ・カーンのデビューも待ち望まれているなど、今後、Z世代の女優の活躍の場が増えていくことは間違いない。