ジェンダーギャップ指数が135位(22年)であり、宗教や社会階層が及ぼす影響で、女性差別が根強い印象もあるインド。国自体が広かったり、極端に保守的な地域もあったりで、十把一絡げに“女性差別の強い国”とは言えないが、負のイメージが付いてしまっていることも間違いない。その中で、Netflixなどは、そういったイメージを変えるための作品を、多少プロパガンダ的ではあるにしても、多く制作してきている傾向にある。それを体現するのがアーリヤーだとも言える。

 アーリヤーが出演する『ダーリンズ』(22)もそうだが、『スケーターガール』(21)や『トリバンガ ~踊れ艶やかに~』(同)、『美に魅せられて』(同)、『おかしな子』(同)、『わたしたちの愛の距離』(同)、『グンジャン・サクセナ -夢にはばたいて-』(20)などなど、アプローチの仕方は違っていても、テーマ性が共通していると感じられるほど、インドでは女性が主体となった作品が多く、今後も制作され続けていく予定だろう。

 Netflixにとって、今後世界とインドをつなぐ存在としてアーリヤーは欠かせない女優のひとりであり、ガル・ガドット主演兼製作のアメリカ映画『ハート・オブ・ストーン』(8月配信予定)でもアーリヤーを起用しているのは、つまりその証明ともいえるのだ。