◆「1%の関係」で考える
平と清居の関係性を考えるほどよくわからなくなる。平は清居と住み始め、寝食をともにすることで幸福を得た。一方、神のような美(清居)に触れることができる現実に罪悪感を抱く。清居は、この幸せな生活が永遠に続くのかと不安になる(『シーズン2』)。平にとっての清居は、「自分の中に輝く星がひとつ」のような存在。平が自分のことを結局は憧れとしてしか見ておらず、生身のパートナーとして考えているのか、いないのかと考えて、清居は苦しくなる。
ふたりの複雑な関係を考えるうち、筆者はあるポピュラーソングの歌詞を頭に浮かべた。世界的ドラマー・高橋幸宏のソロ曲「1%の関係」(1990年リリース)が、思わぬヒントをくれたのだ。同曲の1番の歌詞では「1パーセントは好きだから」だった感情が最終的に「100パーセント好きだから」に変化する。これを平と清居の関係性に当てはめてみると、ちょうどピッタリきた。
平の崇拝する心が100%で変わらないものとする。清居と一緒に住み始めたことでパートナーとしての好きの気持ちが1%は芽生えただろうか。仮に合わせると101%になってしまう。逆から計算してみる。清居から平への好きの気持ちを99%とすると、平からの1%を足してちょうど100%になる。これでふたりの好きがエターナル(永遠)として完成する。