統一地方選が「統一」されていない理由とは
ところで、地方議会の選挙がなぜ「統一」されているのか、ご存じですか? 1947年から始まった制度で、総務省によると「国民の選挙への関心を高めること」が目的だったそうですが、複数の投票を同じ日にすることで経費削減につながる効果もありました。
1回目の47年は統一して選挙を行う自治体の割合は100%でした。これを「統一率」といいます。しかし、100%だったのはこの年だけ。第20回目に当たる2023年の統一率は、なんと27.43%になる見込みです。「うちの地元では選挙やってない」とおっしゃる方も多いですね。
これにはいろいろな理由があるのですが、東北地方はなんといっても2011年の東日本大震災の影響ですね。復旧・復興作業などの都合で時期がずれていったのです。
あとは市町村合併の影響も大きいですね。昭和と平成で大きな市町村合併が行われていて、事務的な理由でずれています。また、首長が在職中に亡くなったり辞職したりすると補選が行われるので、ここでもずれます。ムリに合わせようとして任期を延ばすことには議論がありますから、一度ずれてしまうとなかなか戻らないのです。
この積み重ねで統一率が下がっているのですが、このままでは「統一」地方選挙とは呼べず、「わりかし選挙が多い時期」くらいの認識になってしまいそうですね。これは誰かのせいではないので仕方ないのですが、投票率の低下は憂慮しています。
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