この事務所の“方針”は、ジャニー喜多川前社長の性加害疑惑の問題も大きく影響を受けているとの見方もある。

「現社長の藤島ジュリーK氏は、叔父が遺した負の遺産と一連の報道に頭を抱えているようで、ここ最近の動きは“ジャニーイズム”の払拭にあるのではないかと考えられますね。

 ジャニー氏の性加害疑惑を追及したBBCドキュメンタリーで最後に紹介された事務所コメントも、そして元ジャニーズJr.の岡本カウアンが日本外国特派員協会で行った記者会見についての共同通信の取材に対して事務所が出したコメントも、どちらとも“経営陣が変わり、透明性のある新体制の構築、コンプライアンスの遵守、ガバナンス体制の強化に取り組んでいるところです”といった内容の回答で、今年1月1日に出した事務所声明と同じ。BBCの取材は昨夏だったようですから、その時点でこの文言で逃げ切ろうと決めていたのでしょうし、だからこそ日経新聞に企業広告を出すという異例の展開をしたのでしょう。

 そしてその新体制づくりの中で、“ジャニーイズム”を強く継承している錦織一清や滝沢秀明氏らは居場所をなくしていったということでは。またアメリカは、ジャニー氏を始め、彼の教育を受けたタレントたちがこぞって目指してきた象徴的な場所であり、菊池のアメリカ=世界ではないという発言からは、従来のジャニーズ的価値観からの脱却がうかがえます。欧米は未成年への性加害に非常に厳しく、日本のように逃げて回るのは難しいですから、“欧米ではなくアジア”という志向に事務所が方向転換したとしてもおかしくありません。Travis Japanは米大手レーベルからデビューしたにもかかわらず、すっかり日本国内での活動に軸を置き、海外プロモーションは皆無に近い状態ですが、この舵取りに巻き込まれたかもしれませんね。性加害疑惑の重大性を考えれば、事務所が今のように説明責任を果たさないままだと米レーベルとは最悪、契約打ち切りになる可能性もあります」(芸能記者)