大人を子どもに見せる工夫はされているものの……
ネガティブな意見をあげて申し訳ないが、おそらくは多くの人が気になってしまうことに「撮影当時23歳のイザベル・ファーマンが子どもには見えない」ということがある。
もちろん、イザベル・ファーマンを子どもに見せる工夫は入念にされている。虹彩を大きく見せるためにコンタクトを入れる他、共演者が厚底靴を履いたり、代役として子役を起用したり、カメラアングルを工夫し遠近法も用いるなどして、徹底して低身長に見せている。
イザベル・ファーマンは実年齢よりも若く見える俳優ではあるし、自身も前作で苦労して勉強した方言を再び学び、子どもの頃とは声が変わっていたのでピッチを高くしながら話すよう努めたそうだ。
それでも、やはり彼女の顔のアップになると「やはり大人だな」と思ってしまうのは、苦しいものがあった。イザベル・ファーマンが続投してこその『エスター』という作品なのだろうし、作り手が十二分に努力をしていることもわかるのだが、それでも「大人が子どもを演じることは実質的には不可能」ということも思い知らされてしまったのだ。
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