サメ映画へのリスペクトを込めつつ、「忍者」でマンネリを打破
――今回、初めてサメ映画を監督されたかと思いますが、映画制作で心がけたことは。
坂本 サメ映画はツッコミどころを楽しみに観に来るジャンルだと思うので、ジェットコースターのような勢いで、最初から最後まで楽しんでいただきたいと思いました。上映時間の中に楽しめる要素をできるだけ詰め込もうというのが狙いで、シーンが進むごとにさらにおもしろく、惹きつける要素を散りばめられるように、脚本や演出を調整しました。数分に1回は血が必ず飛び出るし、ゾンビも出てくるし、アクションもスプラッターも詰め込んでいます(笑)。
――元々、こういったホラー要素の強い映画はお好きだったのでしょうか。
坂本 今は特撮作品を監督させていただくことが多いのですが、映画全般好きですし、アメリカではホラー映画に携わることも多かったですよ。それに普段はアクション要素の多い作品を制作しているので、アクション映画を観ると頭が仕事脳に切り替わり、撮影方法などいろいろ気になってしまいます。なので、リラックスしたいときは、ホラーやサメ映画を観るほうが多いんですよ(笑)。
だから、サメ映画の“バカバカしい部分”も楽しめるって分かっているつもりでいたんですが、いざ自分にオファーが来て、いろいろなサメ映画を観直してみたら「あれ? ちゃんと作っている」と、驚きました(笑)。サメのルックもいろいろあるので、どんなサメがいいかリサーチしました。その中でも『ロスト・バケーション』(16)のサメが自分のイメージに近く、クオリティも高かったので、CGチームにイメージを共有しました。撮り終わった後には、「サメ映画の制作者はみんな大変だったんだなぁ」とリスペクトするようになりましたね(笑)。
そんなサメ映画をリスペクトしつつ、バケーション中のカップルが事件に巻き込まれる……というサメ映画のマンネリパターンを、どうやって打破するか?という挑戦もありました。