――日本も含め、世界各地で無差別大量殺人事件が頻発しています。
紀里谷 犯罪を肯定するつもりはありませんが、そういう心情に追い詰めている社会があるんだと思います。
――高校生向けの試写会を開いたそうですが、手応えはどうでしたか?
紀里谷 過去・現代・未来を行き来する複雑な展開の物語だから、「難しくて、よく分からなかった」という声が出るかなと心配していたんですが、それは杞憂でした。僕の言いたかったテーマ性も伝わったみたいで、救われた気がしています。
――紀里谷監督の20年間にわたる葛藤が、切実なものとして高校生たちには伝わったんじゃないでしょうか。
紀里谷 そうだとしたら、いちばんうれしいですよ。演出が足りないかとも思っていたんですが、これでよかったんですね(笑)。
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