さらにカエラは仮面を取ると、高岩と岩間に挟まれながら祐大のピアノ1本をバックに「Butterfly」のサビをワンフレーズだけ歌ってみせた。言うまでもなく、フロアは大いに沸いた。カエラはOKAMOTO’Sのハマ・オカモトからサナバを紹介されたという。その縁が繋がり2022年2月に開催されたカエラのビルボードツアーではハマ・オカモトがバンマスとなりSNB.バンドのメンバーも参加。さらに同年12月にリリースされたカエラのニューアルバム『MAGNETIC』には彼女曰く「SANABAGUN.のみなさんと作っためちゃくちゃいい曲」である「井の頭DAYS feat. SANABAGUN.」が収録された。最後にカエラとサナバはその「井の頭DAYS」をオーガニックかつポップなムードで彩った。
あっという間にライブは終盤へ。サナバきってのパーティーチューンである「Warning」ではファンにはお馴染みの野球ネタを挟み込み、本編ラストの「人間」における多幸感は間違いなく過去最高だったと思う。
アンコールの1曲目は完全初公開となる8MCの新曲「男の代償」。このメンバー全員によるマイクリレーもまたサナバが幾度のメンバーチェンジを経ても交わしてきた“契”だ。最後のMCで岩間と高岩がこう語った。
「一番大変だったのはメンバー(楽器隊)だから。大きな拍手を。そして、今日出てくれたゲスト陣にも大きな拍手をお願いします。このステージを作ってくれているスタッフさんたちにも大きな拍手をお願いします。そして、みなさん(オーディエンス)がいなかったら俺たちは10年も音楽を続けられていなかったので、みなさんも自分たちに大きな拍手を」(岩間)
「バンドというのは続けるのが難しいんですよ。メンバーが8人もいるでしょ。輩ばっかで。いろんな考え方やスタンスがあって、メンバーが抜けたり入ったりして、今の8人で10年経って。何を思ったのかなぁ、今日の俺らは。俺たちが一番、SANABAGUN.って超カッコいいなと思いました。ありがとう。お互いの活動やライフスタイルをリスペクトし合えば、俺たちはいつまでもならず者でいられるなと思いました。ぜひ口コミで、今日のお客さんがひとりにつき10人くらい巻き込めば速攻で武道館やれるでしょ。ねずみ講です、ヨロシク!」(高岩)