◆登場後わずか数秒にして、ただ者ではない

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 今期の朝ドラ『らんまん』第2話に、颯爽と登場したディーン・フジオカは、さすがの存在感を放っている。初登場場面で必ず心をつかんでくるおディーン様、恐るべし!

 後に植物分類学の父となる主人公・槙野万太郎(神木隆之介)が、まだ病弱の坊やだった頃の話。万太郎は、ある立ち話を聞いて、自分が生まれてこなかったほうがよかったのではたいかと思い悩む。実家の大店(酒蔵「峰屋」)を抜け出し、神社の鳥居をくぐる。息を切らせながら長い階段をあがり、社殿の前で悪態をつく。そこへ突風が吹き、怪しげな高笑いが聞こえる。

 境内に屹立する大木の上に男が寝そべるように座っている。ひと目見てわかるディーン・フジオカの横顔。なるほど、今回はこうきたか。登場後わずか数秒にして、ディーン扮する天狗(坂本龍馬)が、ただ者ではないことを視聴者に即座に理解させてしまうのだ。