ナレーションとアテレコを入れず、ロケハンをしない理由

――『ヤギと大悟』のような番組だと、動物にアテレコをつけたり、そういう演出をバラエティはやりがちじゃないですか。でも、『ヤギと大悟』はアテレコがありません。それだけじゃなく、ナレーションもないですよね。そこに、どういう意図があるのでしょうか?

冨田:まず、アテレコをしないのは、大悟さんが一人しゃべりでポポの気持ちを代弁してくれているからです。例えば「お前もゲストいらんよな?」とか「ポポ、もうロケ終わろうとしてる?」とか、大悟さんが全部言ってくれてるので、わざわざ何もする必要がないんです。

 ナレーションに関しては、別にそれがある番組が悪いということじゃなく、この番組に関してはナレーションで目線付けをして「こう見てください」と言う必要もないというか。パッと見て「ヤギが大悟を連れて雑草食べに行ってるな」って、どのタイミングでチャンネルを合わせてもわかると思うんです。そうすると一つひとつの現象を説明する必要がないので、ありのままを見てほしいですね。

――あと、『ヤギと大悟』はロケハンもしないと聞きました。

冨田:ただ、その町の人口くらいは把握しておかないと、人に全然出会えないという結果にもなりかねないので、スタート地点だけはちゃんとしています。あとは、せっかくお邪魔させていただくので、その土地の魅力を知っておきたいなという思いで、観光課の方に町の特色などはお伺いしています。

 でも、そう思うとないに等しいぐらいのロケハンですね。だから、地元の人からは「急に来るの?」って驚かれます(笑)。