――あの終わり方は良かったですね。あそこで、「この番組は信用できるな」と思いました。

冨田:第2弾では、ポポが寝に入る過程を2分くらいワンカットで見せたんです。目がトロンってなって耳が垂れてきて、こうやってヤギって寝るんだなっていう。普通だったら編集点を入れるところですが、この絵をみんなにも見てもらいたいなと思ったし、この2分に『ヤギと大悟』の雰囲気が全部詰まってるなと思って。

 その間、華やかなタレントさん2人(大悟と佐藤隆太)がずっとしゃべっていて、普通ならそっちにカメラを振るじゃないですか。だけど、カメラさんはまったくカメラを振らず、ずっとポポを撮っている。でも、それが正しいなと思ったんです。

――カメラマンさんの判断でポポを撮り続けていたんですか?

冨田:そうです。僕も現場にいましたが、カメラを(タレントに)振らないから「ああ、これは大丈夫だな」と思って、何も言いませんでした。大悟さんのほうに振ろうとしたら「このままで」と言うつもりでしたけど、カメラさんはずーっとポポを撮っていたので。「この番組はこうなんだ」というのが、スタッフみんなにちゃんと浸透しているなと実感できました。

 実は、僕はポポが寝ちゃったとき、現場で「よっしゃ!」と思ったんです。ポポが気を許してくれている感じこそ、見せたいところというか。それを無理やり起こす感じでもなく、大悟さんも「ポポが寝たから俺も昼寝しようかな」って言っちゃうぐらい、ポポがメインなんですね。大悟さんからしても、そこがこの番組の一番の撮れ高だと思っていただけてるってことなんです。

――やっぱり、大悟さんいいですね。

冨田:タレントさんも含め、番組全体で「ヤギファースト」という共通認識はあるのだと思います。