「北川さんは3月11日にもセリフのカットの指摘をしていますが、これは事実でした。第1話の冒頭、南が瀬名の部屋に押し掛けた場面で、寝てるところを起こして悪かったと南が謝ると、瀬名が今日はピアノのコンクールがあるのでちょうどよかったと気を利かせるのですが、それを聞いた南が『私にとっては……結婚式に花婿に逃げられた、人生でたぶん最低最悪の日?』などと語る場面が配信版ではまるっと抜けており、すぐに『じゃあね』と去っていこうとするという編集に変更。第2話のパチンコ屋のシーンでは、放送とは違って、パチンコ台の画面にモザイクがかかっている場面もありましたね。水着女性のイラストが問題だったのでしょうか」(同)

 中でも大きな違和感を抱かせているのがBGMだ。

「第1話で南が瀬名の部屋を去る場面で、放送では挿入歌の『Deeper and Deeper』が後ろで流れていたのが、配信版では途中まで無音で、そこから別のサントラ曲に変わるという謎の変更がありました。第2話でも、放送とは別の劇伴に変わっている場面があったり、不可思議な改変になっているんですよね。北川氏は劇伴の変更について『微妙に気持ち悪い』と苦言を呈しており、このよくわからない変更が最大の違和感だったのでは。しかし、劇伴は基本的にドラマのために制作されたものであり、『ロンバケ』の場合はフジテレビ系列のフジパシフィックミュージックが権利を握っているはずで、問題の『Deeper and Deeper』も第2話では普通にTVer版で聴けるので、権利的にアウトだったわけではないはず。第2話のパチンコ屋の場面で久保田利伸さんのカップリング曲がちょっとだけ流れるのも変更されてません。なので余計に違和感が際立っています」(同)

 こうした数々の改変があったことで、変更のなかった第2話のハガキのくだりも北川氏はうっかり「カットされた」と勘違いしてしまったのかもしれない。

 何も気にならず素直に楽しんだ視聴者もいれば、放送時の記憶と大きく違ったとして違和感を抱いた視聴者もいる今回の配信版『ロングバケーション』。フジテレビ側の事情も理解している様子の北川氏からすれば、せめて事前に一言断りが欲しかった……というのが一番の本音といったところだろうか。