■坂元裕二(第26回受賞者)
「向田邦子さんの一ファンとして読ませていただいたのですが、大河ドラマ、三谷幸喜さんというブランドでありながら、こんなにも向田邦子さん以外が書いたもので、向田邦子さんを感じたものは初めてでした。全く違うジャンルであり、世間的には違う作風として受け止められているかもしれませんが、私の中では、まさに向田邦子さんの作品というのは、こういうものを描いていたものだったのではないかということを感じました。この大ベテランですべてを手に入れた方の中から、そんなことを発見できたことが、私自身とても喜びでしたし、希望のようなものを感じました」
<向田邦子賞とは>
故・向田邦子さんがテレビドラマの脚本家として、数々の作品を世に送り出し活躍してきた功績を称え、現在のテレビ界を支える優秀な脚本作家に贈られる賞として、1982年に制定。主催は「TVガイド」を発行する東京ニュース通信社で、選考は歴代受賞者らによる向田邦子賞委員会が担当。前年度に放送されたテレビドラマを対象に、選考委員がノミネート作品を選定。本選を含めて4回の討議を経て受賞作品を決定している。選考委員は池端俊策氏、大石静氏、岡田惠和氏、井上由美子氏、坂元裕二氏(向田邦子賞受賞順)。