また、主人公たちが抑圧する巨大な力と闘う構図は、『狂い咲きサンダーロード』(80)や『爆裂都市 BURST CITY』(82)といった「石井聰亙」名義の初期代表作から一貫したテーマでもある。
映画の舞台となるのは、神戸芸工大のキャンパス。顔を怪しくペインティングした石井教授(石井岳龍)が拳銃を持ち出し、学生たちがいる校舎内で発砲するという事件が起きる。石井教授はそのまま失踪。同僚の武田助教(武田峻彦)と谷本助手(谷本佳菜子)は、石井教授の行方と事件の真相について調べ始める。
学生たちの証言はそれぞれ異なった。「追い詰められているようだった」と語る学生もいれば、「いつもどおりに変だった」と語る学生もいる。武田助教は事件の手掛かりとして、石井教授がパソコンに残していたテキスト「自分革命闘争ワーク」を開いてみる。「メタ認知」「心眼心耳拡張」「極小こそ極大」……。石井教授の単なる妄想なのか、それとも現実味のある映画理論なのか。調べれば調べるほど、謎は深まっていく。
石井教授の失踪によって実習中だった映画制作は中断されていたが、学生たちは自主的に映画制作を再開する。だが、新しい表現を模索する彼らの前にも、影の圧力が迫ろうとしていた――。
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