どんなに尽くしたところで「候補者の代わりはないが、夫人の代わりはいくらもある」(P150)なんて言われてしまうこともあったようです。これは心が壊れるレベルですが、今でも秘書に対して同じようなことを言う国会議員がいることは書いておきますね。

 同書に登場する「妻たち」に共通しているのは、全員が夫を尊敬して、愛していることです。活字からひしひしと伝わってくるんです。

 だいぶ前ですが、神澤の秘書仲間が結婚披露宴で「夫の志は、私の志です。○○(新郎の名前)を国会に押し上げるために、私は支えて参ります」とスピーチしたのを思い出しました。その時は「ここまで惚れられるってすごいなー」と思っただけでしたが、同書を読んで、きっとみんなが同じ気持ちなのだと思いました。

 ちなみに、昔は急逝した夫の代わりに出馬するようなことは考えられなかったですね。21世紀になってからは珍しくなくなりました。現在の永岡桂子文科相は2005年に自殺したご主人・洋治氏の後継者として出馬されましたが、この時はかなり話題になりました。