前作は止まることができないバスの中でのサスペンスから、爆走する地下鉄のクライマックスというタイトル通りのスピード感溢れる展開がワクワクさせてくれたが、豪華客船を舞台にしたところでスピード感が削がれてしまった。
体内の毒素を出すため、ヒルを自らの身体に貼り付けるという狂気の男を演じたウィレム・デフォーは良かったが、彼の部屋にノートパソコンがあるだけで怪しまれるというのは強引すぎない? 1997年の映画よ。パソコン、別に珍しくないでしょ!
ジェイソンは恋人のサンドラ・ブロックに求婚するかどうかをチマチマ迷っているウジウジ君で、船内のモタモタする展開と相まってイライラさせられる。大体パトリックという名前なんだからパッと告白しろ! パッと!
クライマックスの湾岸住宅に客船が突っ込むスペクタクルシーンは前作のラストを上回る出来で、その後、逃げた犯人をジェットスキーで追いかける段になり、ようやくハイスピードな展開に!この映画、後半だけはそこそこ面白い。しかし興行では苦戦した上、翌年のゴールデン・ラズベリー賞には8部門ノミネートし、ワーストリメイク、続編賞の栄誉(?)に輝いた。