失敗した最大の理由は主演のキアヌが続投せず、ジェイソン・パトリックに交代したから。ジェイソンはあの淀川長治先生も「モダン・セクシー」と評したぐらいの野性味溢れる男前だが、スマートなイケメンのキアヌとはタイプが違うので、比較すると名前のとおりパッとしない感じが残念。

 キアヌが降板した理由は、脚本に納得できなかったからだという。この映画の脚本にはもう一本の「失敗した続編映画」の影響がある――『ダイ・ハード3』という映画の。

『ダイ・ハード3』は客船がテロリストにシージャックされるというストーリーで、同時期に製作されていたセガールの『沈黙の戦艦』にプロットが似ているため、シージャックネタは不採用になり、この原案は『スピード2』に流用されることになった。『ダイ・ハード3』はそんな経緯から脚本が二転三転し、序盤のサイモン・セッズというなぞなぞ遊びは面白いが、後半に至るほどテンションがダダ下がり、シリーズ通してのレギュラーキャラも登場せず、作風が変わりすぎて以降、ダイ・ハードはどんどん無茶苦茶な話になり、つまらなくなっていった。

 駄作の脚本を原案にしたところで、名作になるわけがなかった。