テレビ番組というのは多かれ少なかれ刺激的でなければいけない。もちろんこのワイドナショーも松本さんをはじめとする有名人たちが、普段は見せない真面目な姿や、偏った見解を発言するところに魅力と刺激がある。

 ましてや現代のようにコンプライアンスが厳しくなり、バラエティ番組の制限が増えている世の中で、時代に逆らうわけでもなく、コンプライアンスを違反するわけでもなく、他のバラエティ番組とは違う形で刺激を与えてくれるという画期的な番組だということは視聴者の誰もがわかっていたはずなのだ。

 それが約9年半という歳月が経つにつれて、有名人だけではなく、視聴者側も個人の意見を発信しやすい世の中になり「自分の見解と違う」「発言が時代に合っていない」などという極端な個人的思想で有名人に牙を剥き、超個人的見解や間違った正義感を対象者にぶつけてしまうのだ。

 個人的な見解は有名人だからこそ需要があるわけで、我々一般人の見解などほぼ需要は無い。もちろん一般人は個人的な見解をしてはいけないと言っているわけではない。