これは米国内に限ったことではなく、世界規模でのことでもある。英国の経済誌エコノミストは各国の「ビッグマック」の価格から通貨の価値を量る「ビッグマック指数」を1986年から発表しており、経済学者やアナリスト、実業家らがチェックする重要な経済指標になっている。

 ちなみに日本マクドナルドの場合、新型コロナの感染拡大前の「ビッグマック」の価格は390円(一部地域を除く)だったが、その後、410円になり、今年1月には450円に値上がりした。昨年以降の急激な円安もあり、日本で「ビッグマック」が買える450円では「McCheapest」が示した米国最安値の「ビッグマック」さえも購入できないということになる。

「ビッグマック」はペンシルベニア州ピッツバーグ近郊のフランチャイズオーナーが鉄鋼労働者に安く、お腹いっぱい食べてもらいたいという気持ちで開発した。1967年に初めて世に登場し、瞬く間に全米の店に広がった。当初の価格は45セントだった。

「ビッグマック」はこの10年、米国で40%ほど値上がりしている。インフレの中でさらなる値上がりの可能性は大きく、「ビッグマック」を食べたい人も、そうでない人も、「ビッグマック」の価格から目が離せない。