「正一はエリートで成功を収めた男。65歳で定年退職を迎え、見事なまでに自分の人生を歩んできて、はたから見るとうらやましがられる人生を送っている。実際そう見えるんですが、実は孤児院、いわゆる児童養護施設で育って親を知らないんです。努力していい大学や会社に入り、自分の人生にきちんと結果を残したけれども、彼自身、生い立ちを引きずっていて、ものすごく大きな悲しい出来事を背負っている。その後、病気に襲われ、集中治療室に入った正一の周りに謎の人物が次々に現れるんです」

――正一のどこに魅力を感じましたか?

「偶然にも正一と俺には共通点が多いんです。正一は昭和26年12月24日生まれでウサギ年で、実は俺もウサギ年。原作を書いた浅田次郎先生も同じウサギ年なんですよ。それにドラマの主人公・正一はおはぎが大好きなんですが、俺もあんこが大好きで、中でもおはぎが大好きなんです。そういうこともあって、正一をすごく身近に感じながら演じました。それに、時代背景や周りにあった景色、いろんな出来事について共感できる部分も多かったですね」

――演じていて難しかった点はありますか?