――2000年前後は日本語ラップ/R&Bも良曲が量産されるも、どちらもDJプレイの中に組み込むのが難しい時代であったと思いますが、「Automatic」はどのタイミングで機能していたんですか?
DJ HASEBE 確かに当時はDJのほとんどが、海外の楽曲のみでミックスしていたし、たとえ途中で日本語の曲を挟み込んで盛り上がったとしても、それに続く楽曲が不足していた。なので、時間帯的に最後にもっていきがちだったかな。日本語ではほかにもUAの「情熱」やCrystal Kayの「Ex-Boyfriend」とかかけていたけど、やっぱりどこか浮いちゃう感じだった。
あと、これは決して悪い意味じゃないんだけど、宇多田ヒカルというアーティストを“分析”したことがないんだよね。
昔なにかの番組で宇多田ヒカル特集を組んで、「彼女の何が素晴らしいか?」っていう質問に「『First Love』のジャケットの唇が素晴らしい」とかアホな分析しかできなかったし、っていうか分析ですらないんだけど(笑)。DJ的な感覚からすると「良いか悪いか、プレイしやすいかしにくいか」ってことに重きを置くからね。
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