それに対して宇多田ヒカルの『First Love』は、90年代初期に通じるキックやスネア、ドラムのアレンジ、展開の多さとか、各楽曲のアレンジがポップで古くさくは感じてしまうんだけど、トータルバランスが我々が模索していたことを具現化していたというか、「日本人が好むR&Bサウンド」へのアプローチが長けていたように感じるんですよ。
もともと宇多田ヒカル全肯定派じゃなかったけど、聴き続けるうち、クラブでプレイしていく上で「これは良い意味で全然アリ」という認識に変わってきたね。
――実際にクラブでプレイしたときの、フロアの反応というのは?
DJ HASEBE 初めこそ試験的だったかもしれないけど、「Automatic」は普通にプレイするようになって、フロアの反応もよかった。記憶が前後しているかもしれないけど、「Automatic」のアナログが配布されたときは、世の中的にすでにヒットしていたからね。
FMノースウェーブ(北海道札幌市のFM局)でパワープレイされて、北から降りてきた関東圏でもヒットした、って印象がある。
【こちらの記事も読まれています】