そして議会証言の3日後の3月11日、在バハマ米国大使館は自身のツイッターで次のような声明を出した。「当大使館は記録を正したいと考えている。最近の米議会での証言に反して、中国はバハマで世界最大の大使館を建設していない」

 議会での米軍司令官の証言を、米国大使館が訂正したのである。ラテンアメリカでの中国やロシアの進出ぶりは著しく、自国に都合のよい情報を流布して影響力を拡大する傾向にある。乱れ飛ぶ政治的フェイクニュースはラテンアメリカ社会の悩みの種になっている。

 米国としては「言論の自由」と「正確な情報」が中国、ロシアに対抗する強大な武器となるはずだが、今回の顛末は米国の「信頼性」に汚点を残す結果となった。司令官が「トップシークレット」を口走ってしまっていたなら話は変わるが、現状は米国にとって分が悪い。

 その米国は、首都ナッソーのダウンタウンに新しい大使館を建設中だ。コロナ禍で建設が遅れ、今年10月にオープンする予定だ。