阪元:前作の脚本では田坂が出てくるシーンってもともと半ページぐらいで、40分ほどでバタバタ撮ったんですが、水石亜飛夢くんが田坂役をやってくれるとなって、いろいろ思い浮かんだというか。彩りのない生活を送る20代後半男性の空虚な社畜感が、やっぱり非常におもろくて。“ちさまひ”とはまた違うひねくれ方をした、大人の男性の空虚な感じをもっと撮りたくなりました。結果、スピンオフ(『ベイビーわるきゅーれ』のBlu-ray豪華版の特典に収録された「田坂さんの一日」)まで撮っていて。いつか田坂さんにソロキャンとかさせたいです。

庄村:それはめちゃめちゃ観たい!「田坂さんの一日」に続き、映画には「2」で新登場の田坂の助手・宮内のポップさも意外でした。宮内役も役者さんありきで広がっていったんですか?

阪元:そうですね。今回の台本だけ読むと、たぶん宮内は全然おもしろくないキャラなんですけど、宮内さんを演じた中井友望さんも動物的な芝居をしてくれる役者さんで。絶妙な現代人感を自然に出せる方で、とても良かったですね。

庄村:なんか、絶対に定時で仕事切り上げて帰りそうですよね。

阪元:終業30分前ぐらいが一番生き生きと仕事しているタイプです。宮内もいろんなあるあるが浮かぶし、これからも描き続けたいキャラになりました。彼氏とかサクッといきなり出したいですね。突然、職場に彼氏が鍵とか取りに来たりして。

庄村:微妙に凹む田坂の姿が容易に想像できます。