庄村:続編って、得てしてファンが観たいものからズレが生じるものだとも思うんですけど。そのズレが今作ほぼなかった気がします。

阪元:それで言うと、前作のほうが意外と脳みそ使ってというか、理屈っぽく撮っているんですよね。まひろは、コロナ禍で家から出られずに自堕落な生活に堕していた自分を反映したキャラですし、メイド喫茶のシーンなど「これはツイッターでバズりそうだな」という感じで考えていて。話自体も前作のほうが喧嘩や仲直りがあって、わりと殺し屋でなくても成立する映画になりました。それをふまえて、例えば社会不適合者のまひろが、同じような失敗や挫折みたいなものを経験するというのを、続編でも繰り返すパターンはありがちやな、と。

庄村:サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズを思い出しちゃいます。「言いたいことはわかるけど、そこに時間を使い過ぎ!」みたいな続編ってよくありますよね。

阪元:シリーズものって回を重ねるほど登場人物の内面を描きがちなんですが、「ベビわる」シリーズに関してはむしろ逆で。どちらかというと「1」で内面を描いたので、「2」は純粋に「こいつとこいつの戦いが見たいやろ?」という気持ちで撮れたんですよね。