続く「STAMP IT」も同じくEDM的な構造となっているが、前曲とは真逆の方向性。重苦しく鳴らされる重低音、歪ませたシンセがオリエンタルなリフを刻む中”理性は死んだ”とまで歌われる甘く危険な情事である。
ダンスミュージックに特化しながらも光と影、陰と陽の激しいコントラストを描き出す2曲、前作「City」の記事にて おっさんは”同じグループとは思えない”程の多重人格的な表現に舌を巻き過ぎて窒息しそうになっているのだが、この両極端を表現出来てしまうからこそSixTONESの音楽は信頼出来るのだ。よって何度も言うが、おっさんが(も)聴くべきであるし、おっさんのファンが増えて欲しいと言う話にまた戻ってしまうのである。
初回盤Bに収録されているのはグループ6名をそれぞれ2人ずつに分割してのユニット曲が3曲収録。先行するは森本慎太郎と田中樹のユニットで「OPA!」ポルトガル語の”おお!”的な感嘆詞であり日本各地で展開されているファッションビルの事である(おっちは多分関係ない)が、ある種素っ頓狂と言うか軽薄と言うか軽いノリのシンセリフが主導する勢い任せのパーティーチューンであり、濃厚なアルバムの世界から”お楽しみはまだこれからだ”と言わんばかりにユニット曲の世界へとリスナーを誘ってくれる。
続いてひたすらに楽しい京本大我と髙地優吾による「ラ・ラ・ラ・ラブストーリー」。一聴してそれだと分かるミュージカル調、スイングジャズ調の楽曲。AメロBメロサビの合間合間もスキャットの合いの手で埋め尽くされており、やっぱりひたすらに楽しい。演奏も同じく細かいフレーズの応酬となっているのだが作曲クレジットに目を向けるイワツボコーダイ氏と吹野クワガタ氏の名であり「Rosy」のタッグによる作品と言う事が分かる。納得でありガーサスだ。