打って変わってストレートな歌い出しから始まる「オンガク -声ver.-」はハネるリズムに乗るファンキーなギターのカッティングとベースのスラップがカッコいい、生楽器の楽しさを存分に楽しませてくれる1曲。かなりテクニカルな演奏とは裏腹にしっかりとJポップのマナーに則ったサビの譜割り(8ビートの表にしっかりとメロディーが乗せられている)が挑戦的でありながらも調和しており、演奏を聴いても良し歌を聴いても良し。これまた別方向でけしからん。

 通常盤のクロージングは物悲しいピアノのアルペジオがリードするバラード「Again」。サビの一節に”声”そしてラスサビ前に京本大我による痛切なロングトーン”I miss your voice”とある通り「Always」の祝祭感と対を成す楽曲とも考えられるばかりか、「声」という作品のクロージングに最も相応しいのは実はこちらなのでは……? とすら思う。

 その証拠に前述のロングトーンを合図として堰を切った様にそれぞれの”声”の表現が溢れ出すラスサビが凄いのだ。主旋律とハモりがほぼ同じボリュームで鳴らされるばかりかそのメロディはエモーショナルに歌い崩され、更にフェイクまで入りまくりの全部乗せ。圧倒圧巻の最終曲。参りました。

 初回盤A収録となっている「Need you」はSixTONES流のEDM、トロピカルハウスと言った趣き。2番の歌い出しと同時に一瞬鳴らされるスムースなギターのフレーズに何処となく90年代のエッセンスも感じさせられ、おっさんはニヤリであった。